Social Scienceの授業の課題の量がえげつない件について

本格的に授業が始まり、怒涛の一週間がやっと終わったかと思うと、もう明日は授業か。。そんな気分です。明日のPhilosophyの授業の宿題が10pageしかないことに気づき、少し時間ができたのでこうしてブログを書いています。笑

そして、今回は待ちに待った!(誰かがそう思ってくれていたら嬉しいです。)ウィリアムアンドメアリーの授業についての記事になります。ウィリアムアンドメアリーといえば、米大学全体の中でも勉強の大変さがトップクラス(友達によれば、10位らしいです。汗)と噂されていますが、実際はどうなのでしょうか。私が履修している授業について触れながら、勉強の大変さ・授業の様子について1週間を通して感じたことをまとめてみたいと思います。

 

まず、私が履修している授業は以下の通りです。

  1. PHIL Right&Wrong in Contemporary World・・・①
  2. HIST Global History Since 1500・・・②
  3. GOVT Intro to International Politics・・・③
  4. SOCL Wealth, Power and Inequality・・・④

①・・・W&Mでかなり人気の授業の一つ。日本ではあまり聞くことのない哲学の授業です。理系から文系まで様々な人が受けています。授業を受ける前はSandel氏のSocial Justiceのようなものを想像していましたが、今のところは哲学的な概念を導入することなく、議論の論理体系そのものを重視しながら(論理構成が妥当か否か、とか)、社会・物事について批判的に考える授業です。宿題では、ホッブスのリヴァイアサンやロックの統治二論を読んだりして、例えば先週の授業では、「私たちは生まれながらにして政府と社会契約を結んでいるのか?もしそうなら、明示的あるいは暗示的に結ばれるのか?」といったことについて議論しました。宿題の量は週30pageくらいとやや少なめ。

 

②・・・①と同様に名物授業。先生がかなり面白い人で授業の3~4割くらいはジョークな気がします。笑  授業それ自体は高校世界史(荒巻さんに習っていたこともあり、それが今になって活きている気がします)の延長みたいな感じです。この授業の大変なところは少人数のDiscussionのクラスがあり、ジャレド・ダイアモンドの本を中心に100pageくらいの内容について、筆者のの論理構成、Evidenceを中心に議論する点です。特にDiscussionではネイティヴたちと互角に発言することが求められるため、十分に予習することが求められます。

 

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 ↑ジャレド・ダイアモンドの『銃・鉄・病原菌』を扱っています。

 

③・・・文字通り、国際政治の導入の授業です。先生が黒板と席の前を走って行ったり来たりと、かなり熱血授業です。笑 北朝鮮やウクライナの問題のような実践的なテーマも扱う一方で、国際政治の基本的な概念、例えばリアリズムとそれに対抗する概念等を援用しながら議論を進めていきます。生徒と教授による対話型の授業です。宿題の量は週50〜70pageと平均的な気がします。

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 ↑導入の授業にしては、テキストはやや難解だなあと感じてます。

 

④・・・不平等の起源について社会学的に迫る授業。ゲストスピーカーが来るユニークな授業です。非常に抽象的な概念を扱ったりするので、今学期一番難易度の高い授業だと思います。2年生の時に国際開発を勉強していたこともあり、かなり勉強していた分野だと思っていたのですが、初めて見る社会学的な考え・難解な論文にとても苦戦しています。泣 ただ、しっかり勉強すれば、異なる観点から社会を眺められるようになる、そんな授業だなと思ったので履修しました。

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 以上が、履修している授業の紹介でした!!

 

最後に、1週間を通して感じたアメリカ(William and Mary)と日本の授業の違いについて書きたいと思います。授業形式、教授・生徒の姿勢・課題の量の3要素に分けてみました。

授業形式:日本では一方通行型の授業がほとんどであるが、ここでは対話型の授業がほとんどで、発言した回数がParticipationに含まれ、成績に反映されます。しかし、ただ発言すれば良いというのではなく、発言の質や思考の深さと言った点も考慮されるケースが多いようです。ウィリアムアンドメアリーは授業が小規模であることがほとんどなので、こうした特徴が顕著なのかもしれません。

 

教授・生徒の姿勢:僕が受けている授業の教授はほとんどが授業に熱心な方です。オフィス・アワーも設けられていて、学生へのサポートが充実しています。多くの生徒は成績のこともあって発言に積極的で、生徒同士で議論が熱くなることもしばしばあります。積み重なる様々な生徒の意見を教授が上手くまとめて、そこからさらに建設的な議論が生まれていく。こうして何か個性的な成果が一つ一つの授業から生まれていく過程は少し神秘的なものさえ感じます。日本の授業と対比して、物事を容易に一般化して価値判断をしたくはないのですが、干からびた土地に蒔かれる種(頑丈な種はそれでも育つのですが。。)と、肥沃な土地に蒔かれて育つ種くらい学生にとって大学の環境は違うのではないかと思いました。ただ一方で、日本ではその分自主的に学生団体の活動を行えたりして、他大学の学生との交流も多いので、そうした自由度が大きいのは良かったなって思っています。

 

課題の量:これは圧倒的に違います。日本では宿題がでた記憶はしばらくありませんが(笑)、こちらでは勿論人にもよるのですが、週200pageを超える課題をこなさなければなりません。でないと授業に確実についていけなくなります。勉強への環境圧はこのように海外、特にアメリカのトップレベルの大学(ヨーロッパは課題が少ないらしいです。)と比較すると非常に異なると思います。日曜日でさえ、図書館は多くの学生で席が埋まっています。

 

如何だったでしょうか?かなり細かく書いたつもりですが、まだ一週間しか授業を経験してないこともあり、これからまた様々なことがわかり次第また授業について投稿したいと思います!

ではまた!!

 

 

 

 

DACA廃止の抗議集会に参加してきました

 

今週から本格的に授業がスタートし、あっという間に一週間が過ぎ去りました。課題の量が多すぎて、”暇さえあれば勉強”という日本の大学ではテスト前でもありえないような勉強量をこなした一方で、これからは授業の形式を理解した上で、如何に要領よく授業の準備をするかが大事だなと痛感しました。

 

さて、今週すべての授業が終わり、屍のようにベッドに横たわっていると…

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ルームメイトに、「15時からDACA廃止反対の集会があるけど、いかない? ブログにDACAのこと書いてたでしょ?」と言われ、興味があったので向かうことに。

 

集会はキャンパスの中庭で行われたのですが、開始予定の15:00にはあまり人がおらず、かなり小規模だなと思ったのですが、始まるに連れてどんどん人が集まり、最終的にはこんな感じに↓(横にも広がっているため、この写真からは想像できないほどたくさんいます。)

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集会では主催者、Dreamers(DACAの認定を受けている学生)、教授らのスピーチがありました。

特にDreamersの学生のスピーチは心に触れるものがあり、例えばアメリカに移住する背景にある幼少期に経験した彼の苦しみについて話が及ぶと、涙を流す学生の姿もみられました。そうしたセンチメンタルな部分についてこのように他の人に共有される機会・環境ないしその自由度はあまり日本では経験したことのないものです。

 

この集会を通して強調されていたのは、人種や出自によって「人権が否定されてはならない」

ということです。そして、肌の色や属性によってではなく、「実績」=what they accomplishedで人は判断されるべきだということです。DACAの対象となる人に過去に犯罪を犯した人などはいないのです。

 

最後には、"We stand with Dreamers"と全体で連呼することで集会は締めくくられました。このようにして、"Solidality"を強めるというのはアメリカらしいところでもあり、この集会の根本の目的であるのだと思います。

 

これだけ価値観・物事への考えを大きく揺さぶられる日は久しぶりでした。短い留学生活の中で、このように内面の価値観(哲学)形成に関わる重要な体験をこれからもできるといいなあ。

 

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DACAについて

今日はWilliam and Maryの基本情報について投稿する予定だったのですが、TrumpがDACAの打ち切りを発表したことの余波を現地で感じていることもあり、今回はDACAについて書きたいと思います。

まず、DACAとは、Deferred Action for Childhoodの略です。次に、定義は以下の通りです。

On June 15, 2012, the Secretary of Homeland Security announced that certain people who came to the United States as children and meet several guidelines may request consideration of deferred action for a period of two years, subject to renewal. They are also eligible for work authorization. Deferred action is a use of prosecutorial discretion to defer removal action against an individual for a certain period of time. Deferred action does not provide lawful status.

 引用元:

https://www.uscis.gov/humanitarian/consideration-deferred-action-childhood-arrivals-daca

 簡潔には、「子供の時に親に連れられて米国に不法入国し、そのまま育った若者に滞在許可を与え、一時的に強制送還の対象から除外する制度。」(日経新聞 2017/9/6)と表せるようです。また、上記の引用元にある、"several guidelines"というのは以下のような項目を指します。

  • 16歳未満の時にアメリカに入国している
  • 在通学している、高校を卒業した、GED証書を取得した、もしくは米国沿岸警備隊や軍隊を円満退役した者
  • 重罪、重大な軽罪、3つ以上の軽罪で有罪判決を受けたもの、もしくは国家安全は公共の安全を脅かすものではないこと

(参照:DACA申請資格 - 米国移民法情報)

 

トランプ政権が発表した内容をそのまま反映すれば、6ヶ月後の2018年3月5日からDACAの対象者は「不法滞在者」となります。

 

この影響は留学先の大学にも及び、2通ほど大学からDACAに関するメールが送られてきました。DACA対象者へのサポート、そしてDACA撤廃に対して強く反対の意見を表明するものでした。メールの一部を以下に掲載します。

At William & Mary, 23 students are with us under the aegis of DACA.  As I said last year, DACA students are important members of our community.  They belong here, and we strongly believe they should be allowed to finish their educations.  William & Mary will keep doing all we can to support them.  Our welcome is unwavering for each W&M student, regardless of his or her national origin or immigration status.   

このように、今日はアメリカ政治の影響を身近に感じた1日でした。メールだけでなく、今日の寮のミーティングでも少し話題になりました。W&Mにきてから、Sensitiveな話題について色々感じることは多いです。このブログを通して私が現地で体感した”心の揺さぶり"のようなものを伝えることもできればと思います。

 

大量の課題たちが待っているようなので、今日はここら辺で失礼いたします。。

 

p.s: 1時過ぎに図書館から戻ると↓のような張り紙がラウンドリーにありました。

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留学日記を始めた理由

 

初めまして! 私は、某都内の私立大から現在アメリカの名門校であるCollege of William and Maryに留学中の大学3年生です。主に以下の2つの目的でブログを開設することにしました。

  1. 留学中に経験したことを逐一記録することによる忘備録としての役割
  2. 交換留学の様子を少しでも多くの人に伝える

前者については、自分のためです。2セメスターは長いようであっという間に過ぎてしまうと思います。すでに多くのCulture Shockのようなものを体験しましたが、人間はほとんどの事は忘れてしまうのが常なようで。。

      f:id:waterbook1222:20170905125218p:plain  (エビングハウスの忘却曲線)

 

従い、現地で経験したことを後からまた顧みることができるようにしたいと思いました。

後者については、自分が交換留学を考えるようになった時、留学の情報がネット上にあまりないことに気づいたからです。具体的な生活や日常の描写に富むリソースは実際に少ないと思います。1年前に留学情報を収集するのに苦労した経験から、少しでもその問題解決に寄与するべく(表現が過大ですが)、なるべく写真なども用いて具体的な留学生活をお伝えできればなと思っています。また、William and Maryに興味を持つ人が増えてくれると嬉しいです!

 

・・・とここまできて、課題が大量に残っていることを思い出しました。。笑

金曜日までに課されたReadingが150Page以上ある(泣)ので、今日はここまでにします!

最後に今日の一枚を↓(夜12時過ぎても図書館に篭って勉強)

 

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